外壁塗装はローン払いできるのか?【種類と金利シミュレーション、減税効果についてポイント解説】(前編)

2022年03月18日(金)

外壁の傷みが気になるが塗装資金がない!

新築後15年くらい経過すると外壁に汚れや色あせが目立ってきて、ところどころに傷みも見られるようになります。外壁を塗り直す外壁塗装が必要となってきますが、「まだまだ住宅ローンの返済が残っていてお金がない」という方もいらっしゃるかと思います。とはいえ、外壁の傷みを放置しておくと、建物の寿命を縮めることにもなりかねません。

その解決策として外壁塗装の費用もローンで賄うことが挙げられます。ローン支払いのメリットやデメリット、節税対策について前後編2回に分けて解説します。「外壁塗装が必要なのはわかるけどお金が……」という方はぜひ参考にしてください。

外壁塗装はローン払いができる!

「外壁塗装もローンが使えるの?」と思う方も少なくないかと思います。結論から言うと、外壁塗装も新築工事と同じようにローンが使えます。まずはローンで外壁塗装をするメリット・デメリットについて考えてみましょう。

ローン活用するメリットはこんなにある!

外壁塗装でローンを活用するメリットは以下のようなことが挙げられます。

手元資金を残せる!

なんと言ってもローンを使うメリットは手元資金が残せることです。特にお子さまが生まれたタイミングで自宅を建てられた方は中学生くらいになられているはず。これから高校や大学、専門学校などに進学されるとお金がかかります。また、突然の病気や怪我で思わぬ出費もあるかもしれません。ローンで手元資金を残しておけば安心です。

早く工事することで結果的に工事費が安くなる!

「お金がないから」と必要なメンテナンスを怠ったことで外壁の劣化が進み、補修に余計な費用がかかってしまったという方が非常に多いです。雨漏りなどが発生して建物内部に深刻なダメージが発生してしまったというケースもあります。ローンを利用して早めに外壁塗装工事を行うことで、トータルの出費を抑えることが可能です。

減税効果がある!

外壁塗装をローンで行うことで、所得税や固定資産税などの税金を節約することもできます。条件を満たして手続きさえすれば、サラリーマンや公務員の方でも利用可能です。詳しくは後編で解説しますので、ご興味がある方はぜひご覧ください。

利子を払わなくてはならないのがデメリット

ローンを利用すると利子が発生して、一括で工事料金を支払う場合と比べて余分に費用がかかってしまうのが大きなデメリットです。具体的にいくらかかるのか?は次の章以降で解説します。ただし、先ほどもご説明したとおり外壁の劣化の補修に余計な費用をかけるくらいならローンを使ってでも早めにメンテナンスしておいたほうが、かえって出費を抑えられる可能性もあります。

外壁塗装に使えるローンの種類は?

外壁塗装をローン払いする場合

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借入先 担保の有無 金利 審査の厳しさ
住宅ローンを借入している銀行 なし 低い ゆるい
銀行 有り 高い 厳しい
クレジット会社 なし 高い ゆるい

外壁塗装で使えるローンにはさまざまな種類があります。主に①住宅ローンの借り入れをしている銀行から追加で融資を受ける、②他の銀行や金融機関のローンを新しく利用する、③クレジットカード会社のローンを利用するという3パターンです。

住宅ローンがある人は借入先からがおすすめ!

すでに住宅ローンを利用されている方は、借り入れしている銀行から追加で融資を受けるのがおすすめです。すでに住宅ローンの審査が通っていて借り入れをしているため、滞りなく返済し続けられていれば審査はゆるい傾向があります。担保も新たに用意する必要はありません。金利も低く抑えられます。Wローンにはならないため、一本化することで借入額や返済額も明確になります。ただし、外壁塗装のローンに対応していない銀行もあるので注意が必要です。

他の銀行や金融機関を使う場合は、再度審査を受けなければなりません。すでに住宅ローンという債務があるため基準も厳しめです。担保も用意しなければならず、借り換える場合は抵当権設定費用も発生します。

クレジットカード会社のローンであれば審査が若干ゆるく、担保も必要ありませんが、銀行のローンと比較すると金利はさらに高くなる傾向があります。

リフォームローンを利用する

住宅ローンの借り入れをしている銀行から追加融資を断られた場合は、「リフォームローン」を使われるのがおすすめです。住宅ローンとの違いやリフォームローンの種類についてご説明します。

住宅ローンとリフォームローンの違い

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住宅ローン リフォームローン
借入可能額 100万円~1億円 10~1,000万円
審査基準

最短でも2週間前後

  • 借入・完済時の年齢
  • 返済負担率
  • 勤続年数
  • 年収
  • 担保評価
  • 健康状態など

*要担保

最短で1~7日間

  • 借入・完済時の年齢
  • 返済負担率
  • 勤続年数
  • 年収
  • 担保評価
  • 健康状態など

*担保は不要

返済期間 最長35年 最長10~15年程度
金利 変動金利
固定金利
固定金利選択型
変動金利
固定金利
固定金利選択型

*条件は借入先金融期間によって異なります。

住宅ローンはご存知のとおり、住宅の取得時(新築や中古物件の購入など)に使えるローンです。100万円~1億円と多額の資金を借り入れることができますが、審査は2週間くらいかかります。また、担保が必要となり、多くの人は取得した自宅に抵当権を設定して住宅ローンを利用します。返済期間は最長35年です。

リフォームローンは住宅のリフォームやメンテナンス、修理・修繕で使えるローンのことを指します。もちろん外壁塗装も対象です。借入可能額は最大1,000万円程度で住宅ローンよりは少額となりますが、その分審査基準はゆるめで、長くても1週間ほどで審査が完了します。また、担保も不要なので、すでに住宅ローンで借り入れをされている方も利用可能です。返済期間は10~15年程度です。

リフォームローンは住宅ローンと比較するとハードルが格段に低いため、これを利用して外壁塗装をされる方も多くいらっしゃいます。

リフォームローンの種類

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借入先 金利 特徴
銀行(無担保) 1~4%
*条件によって1%未満
・塗装会社から紹介される銀行もある
クレジット会社 2~18% ・借入上限額は年収の1/3以下まで
・ポイントを貯められる

リフォームローンに関しても銀行系クレジット会社系の2種類があります。それぞれ金利や特徴などを比較してみましょう。

銀行(無担保ローン)

銀行系の無担保ローンは金利が年利1~4%です。場合によっては1%未満で利用できることもあります。先ほども解説したように、借入可能額は10~1,000万円で、審査結果によって異なります。ご自身で探される他、塗装会社で紹介してもらえることもありますので、どこがいいかわからない場合・迷った場合は、塗装会社に相談してみるといいかもしれません。

クレジット会社

クレジット会社系のリフォームローンの金利は2~18%で、銀行と比較すると高めです。その代わり、審査基準は銀行よりもゆるめとなります。借入上限額は年収の1/3以下となり、ほとんどの方にとっては銀行系のリフォームローンよりも低めとなります。クレジット会社のローンを利用するメリットとして、クレジットカードのポイントが貯まる点が挙げられます。ただし、金利が高いとポイントで得られる利益よりも、利子の支払いによる損失のほうが高くなってしまうでしょう。

金利の種類

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変動金利 固定金利 固定金利選択型

市場金利に連動し、ローン金利が変動。
一般的に年2回金利を見直し

  • 低金利の今はメリットが大きい
  • 金利が上がると返済額も増えるのがデメリット

完済まで金利と返済額が固定

  • 変動金利に比べて金利は高めに設定されているが返済額が一定で支払い計画が立てやすい

指定した期間、金利と返済額が固定

*1年/2年/3年/5年/7年10年から選択可

  • 指定期間が終了したあと、変動金利または固定金利に切り替えることができる

金利に関しても住宅ローンと同様「変動金利」「固定金利」「固定金利選択型」があります。

変動金利は市場金利に連動してローンの利息も変動する仕組みです。低金利の今は利息も安くメリットが大きいですが、金利が上昇すると利息も高くなってしまいます。

固定金利は完済まで利息は変わりません。変動金利と比較して利率は高めに設定されていますが、金融変動で利息がそれ以上高くなることはありません。毎月の返済額が一定で、支払い計画が立てやすいです。

固定金利選択型では指定された期間だけ金利と返済額が固定されます。指定期間が終了した後は変動金利か固定金利を選択することが可能です。

それぞれメリット・デメリットがあって、一概にどちらが良いとは言えません。たとえば返済期間が短い方は利息が安い変動金利でも良いかもしれません。逆に返済期間が長く、途中で金利が上がると困るという方は固定金利のほうが向いている可能性もあります。返済期間や借入金額、将来設計などを考慮して総合的に判断しましょう。

外壁塗装ローンの金利返済シミュレーション

実質金利2.5%場合の月額返済シミュレーション(単位:円)

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借入期間
借入額 3年 5年 8年 10年 13年 15年
50万円 14,430
(519,486)
8,873
(532,388)
5,751
(552,145)
4,713
(565,556)
3,757
(586,083)
3,333
(600,044)
80万円 23,089
(831,190)
14,197
(851,847)
9,203
(883,445)
7,541
(904,932)
6,011
(937,790)
5,334
(960,081)
100万円 28,861
(1,038,992)
17,747
(1,064,810)
11,503
(1,104,322)
9,426
(1,131,190)
7,514
(1,172,251)
6,667
(1,200,148)
150万円 43,292
(1,558,495)
26,621
(1,597,231)
17,255
(1,656,505)
14,140
(1,696,791)
11,272
(1,758,395)
10,001
(1,800,253)
200万円 57,722
(2,078,002)
35,494
(2,129,653)
23,007
(2,208,687)
18,853
(2,262,428)
15,029
(2,344,566)
13,335
  (2,400,357) 

()は支払い総額 *元利均等、ボーナス払い、融資手数料、保証料は含めずに計算

(ご参考)返済シミュレーションはこちらのサイトで計算できます。

住宅保証機構株式会社
https://loan.mamoris.jp/index.html

外壁塗装でローンを利用する注意点

外壁塗装でローンを利用する際には以下の4点について注意しておきましょう。

借入限度額で総工事費がまかなえるか?

先ほどもご説明したとおり、ローンにはそれぞれ借入限度額があります。外壁塗装工事の総費用がローンで賄えない場合、足が出た分は現金で支払わなくてはなりません。「外壁塗装にいくらかかるのか?」「ローンでいくらまかなえるか?」を把握しておきましょう。

返済期間が10年以上になっていないか?

返済期間にも注意が必要です。外壁塗装のサイクルは10年ほど。もし、返済期間が10年を超える場合、返済期間中にまた外壁塗装が必要となり、二重にローンを抱えることにもなりかねません。それに住宅ローンも加わると、かなり返済がきつくなります。外壁塗装のローンはなるべく返済期間を短くしましょう。

長期の場合、団体信用保険に入れるか?

返済期間が長期にわたる場合は「団体信用保険」に加入できるかどうかも大きなポイントです。団体信用保険はローンの利用者が加入する生命保険で、ローンの返済期間中に債務者が障害を患う、死亡するなどして返済ができなくなった場合に、保険会社が代わりにローンを支払ってくれる保険です。もしこれに加入していないと、ご家族が支払い続けることになります。

金利以外の諸経費の確認

ローンの契約では利息以外にも保証料や手数料、印紙代などの諸経費がかかる可能性があります。これらも含めて「トータルでいくらかかるか?」をしっかりと確認しておきましょう。

まとめ

手元に現金がなくても、ローンを利用することで外壁塗装を行うことができます。利息がかかるのがデメリットではありますが、早めに工事をしてご自宅の劣化を防ぎ、なるべく金利がかからない借り入れ方法を選択することで、トータルの出費を抑えられる可能性も十分にあります。

また、ローンを使って外壁塗装をすることで節税も可能です。後編ではその方法についてご説明します。ローンで外壁塗装を検討されている方はぜひご覧ください。

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