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年々増加する住宅トラブル相談
近年住宅に関するトラブルが増えてきています。国土交通大臣の委託を受けて住宅トラブルに関する相談を受け付け、解決を支援している「公益財団住宅リフォーム・紛争処理支援センター」のデータによると、2009年のリフォーム関連の相談は約3,000件だったのに対して2018年は12,000件近くと、およそ4倍近くにも増加しているのです。とりわけ屋根に関わる相談内容が多く、トップはひび割れ、その次が雨漏りで、全体の3割以上。その他にもはがれや変形、漏水など、さまざまなトラブルが発生しています。
図1:相談件数の推移(単位:件)
図2:一戸建ての不具合事象
図1・図2出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター『住宅相談統計年報2019』
屋根は普段私たちの目に触れにくい部分です。一般の方では今の状態が良いのか悪いのか?あるいは屋根塗装をしてもらっても、その仕上がりが丁寧なのか?雑なのか?判断がつきにくいです。
そこで、今回は屋根塗装を業者に依頼する前にどういった点に気をつければいいのか?プロがレクチャーします。しっかりと頭に入れておいて信頼できる業者を選び、トラブルを未然に防ぎましょう。
屋根塗装のトラブルと原因
まずは屋根塗装に関連するトラブルの事例とその原因をいくつか見ていきましょう。こうしたことが発生するリスクも踏まえて業者を慎重に選ぶ必要があります。
トラブル:スレート屋根で雨漏り
今主流となっているスレート屋根。塗装をした後に雨漏りしてしまったというトラブルが非常に多くなっています。雨漏りは建物を傷める要因になりますので、絶対にあってはならないことですが、特に格安業者に頼んだ場合などで発生するリスクが高くなります。
原因:タスペーサーを使った縁切りをしていない
屋根塗装を行うと屋根材と屋根材の間に塗料が埋まってしまうことがあります。そのままにしておくと水が溜まって雨漏りの原因となります。タスペーサーというプラスチックの器具を屋根材の間に挟んで適度な隙間を作る「縁切り」を行うことで、排水能力がアップして雨漏りが防げるのですが、コストダウンのため縁切りをしない業者もいるので注意しましょう。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
トラブル:コンクリート瓦のひび割れ
コンクリート製の瓦の場合、特にひび割れのトラブルが発生しやすくなります。冒頭でもご紹介したように、ひび割れはリフォーム関連で最も多いトラブルです。また、コンクリート瓦はほかの材質の瓦に比べて割れやすいため、特に注意する必要があります。
原因:下処理がきちんとされていない
下処理の段階で適切な下塗り塗料を使っていなかったことが原因として挙げられます。特にセメント瓦用の塗料をコンクリート瓦に使ってしまうことでひび割れてしまうケースが少なくありません。コンクリートとセメントは見た目がよく似ていて、プロでも判断に迷うことがあります。
トラブル:屋根塗装した直後に雨漏り
雨漏りをして屋根塗装を業者に依頼し作業をしてもらったのにも関わらず、また同じ場所で雨漏りをするというトラブルが多くあります。せっかく時間と費用をかけたのに、直っていなかったというパターンで、お客さまにとっては深刻な問題です。プロとしてはあってはいけないことなのですが、しばしばこうしたトラブルも発生します。
原因:雨漏りの位置をきちんと特定しなかった
上記のようなトラブルは業者の職人やスタッフが雨漏りしている箇所をしっかりと特定していなかったことが原因で起こります。雨漏りの要因は単純ではありません。瓦のヒビはもちろん、その他の経路からでも水は侵入します。我々プロはさまざまな方法で雨漏りの箇所をしっかりと特定して作業を行いますが、技術力が低い、あるいは調査が雑な業者に依頼してしまうとこうしたトラブルが発生するリスクも高くなります。
屋根のタイプ別、特徴とメンテナンス時期
ご自身でもある程度屋根塗装の知識をつけて業者選びをしていただければトラブルに遭うリスクを格段に低くすることが可能です。メンテナンスが必要になる時期を把握して作業を早めに依頼すれば、雨漏りなどの深刻な問題を予防することができます。ここからは屋根の材質別に特徴や屋根塗装のタイミングについてご紹介します。
スレート屋根
粘土岩を板状にしたものを使った屋根材です。また、セメントと繊維素材を板状にしたものもスレートと呼ばれます。
比較的リーズナブルで施工がしやすいため、近年主流になっている屋根材ですが、汚れが付着したりひび割れたりすることもあるので、定期的に再塗装やメンテナンスが必要となります。7~12年程度が屋根塗装の目安です。それ以外にも色あせや汚れ、ちいさなひび割れが見られたら一度点検されることをおすすめします。
セメント屋根
セメントと砂を混ぜ合わせて造った屋根材です。特にセメント屋根の場合はセメントのカルシウムが雨水などで流れてしまうと耐久性や防水性が損なわれますので、しっかりと塗膜で表面を保護する必要があります。
屋根塗装の目安は10年程度ですが、色あせや塗膜の剥がれ、汚れなどが見られる場合は業者に点検を依頼しましょう。
ガルバリウム屋根
金属製の屋根材で、軽く錆にも強いため長持ちします。ガルバリウム屋根の上にスレート瓦を重ね葺きしているお家も多いです。
10年経過したら屋根塗装を行うことで耐久性を維持することができます。色あせや塗膜の剥がれ、錆などが見られたら点検してもらいましょう。
日本瓦
日本の伝統的な瓦です。ほかの屋根材と比較すると非常に耐久性が高く50~100年くらい長持ちします。基本的に屋根塗装などのメンテナンスは不要です。
ただし、瓦の下に敷かれている防水シートは定期的に交換しなければいけません。また、強度があると言ってもひび割れや欠けなどが発生することもありますので、定期的な点検が必要です。10年に1回はメンテナンスを依頼されることをおすすめします。
松岡塗装店にお問い合わせください
屋根の上に登って不具合が発生している箇所を的確に見抜いて作業をするのは、職人でも経験を積まないとなかなか上手くできません。また、仕上がり後の確認も屋根に登って行わなければならないため、一般の方では良し悪しの判断が難しいです。そのため、屋根塗装は必ず技術力が高くかつ信頼がおける業者に依頼しましょう。残念ながら屋根塗装に関わるトラブルは年々増加しているのが実情ですので、大切な住まいを守るためにも事前にご自身でしっかり情報収集して業者を選ばれることをおすすめします。
松岡塗装店では素材や塗料の知識と屋根塗装の経験が豊富な一級塗装技能士が、しっかりと問題の原因となっている不具合を調査し、屋根材に合わせた塗料・技法を見極めて作業します。大阪で屋根のトラブルにお困りの方、そろそろ屋根塗装を検討されている方は、ぜひ私たちにご相談ください。
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