塗料の種類とそれぞれの特徴、選び方を徹底解説【初めての外壁塗装を考えている方へ】

2023年10月17日(火)

マイホームを建ててしばらくすると、さまざま箇所にメンテナンスを行う必要が出てきます。外壁をはじめ、お家そのものの耐久性や美観など見た目の問題から外壁塗装を検討する方も多いのではないでしょうか。ところが外壁塗装について調べたところ、塗料の種類が多くて選び方に迷ってしまったという声も聞かれます。また施工にあたってのコストパフォーマンスも気になるところです。この記事では、外壁塗装で用いる塗料についてお悩みの方に向けて、塗料の種類とご自宅に適した外壁塗装の選び方について解説します。

塗料の種類を紹介する前に!外壁塗装の塗料の選び方

外壁塗料の種類は幅広く、効果や特徴もさまざまです。どのような点に着目して塗料を選べばいいのでしょうか。自宅に適した外壁塗料を選ぶ場合、重視するポイントは次の3つです。

①費用対効果で選ぶ

外壁塗装の塗料を選ぶとき、よりリーズナブルな塗料を選びたいとお考えになる方もいるかも知れません。確かに選んだ塗料次第では、数十万円の差が出ることもあります。しかし塗料ごとに耐用年数があり、塗料自体の費用だけで選ぶことはおすすめできません。塗料の持ち、つまり耐用年数が短ければ、再度メンテナンスしなければならなくなります。結果的に費用対効果を得られない可能性も考えられます。

例えば現在、居住年数が30年以上になる住宅の場合は、無機塗料、年数未定の場合はラジカル塗料がコストパフォーマンスの優れたおすすめの塗料となります。価格と耐用年数のバランスを考え、コストパフォーマンスの良い塗料を選ぶのがベストです。

②色や艶で選ぶ

外壁塗装で用いる塗料製品はそれぞれ、色もバリエーションや艶の程度も異なります。艶とは光沢のことで、より光沢の強弱や好みの色で塗料を選ぶのも選択肢の1つと言えるでしょう。基本的には、外壁塗装を依頼する業者に自身の希望を伝えれば希望の色・艶のある製品を選んでくれます。もしご自身で調べる場合は、気になる塗料製品名を検索してカラーバリエーションを確認しておくという方法もあります。また気に入った施工事例を見つけたら、どのような塗料を使っているか確認するというのも一案です。

色や艶は、見た目の好みが優先されがちです。しかし外壁塗装が長持ち具合や汚れにくさなど機能面も忘れずにチェックしておきましょう。例えば艶ありと艶なしでは、艶ありのほうが撥水性に優れています。選んだ塗料がトータルでどのような機能を有しているかに注意が必要です。

③機能性で選ぶ

外壁塗装の塗料は製品により機能性にも大きな差があります。機能性を意識して製品を選ぶのもおすすめです。例えば、遮熱機能・断熱機能を持つ塗料を選べば、季節を問わず室内が過ごしやすくなり、空調代を抑えるなど省エネ効果も期待できます。他にも光触媒技術や防藻・防カビ機能など多彩な機能を持つ塗料がラインナップされています。

重視したい機能があるのなら、あらかじめ業者に相談しておくことも大切です。ただし機能性の高い塗料は、その分コストもかかります。通常よりも数百円~2,000円/㎡ほど割高になる点に注意しておきましょう。

初めて外壁塗装を行う方必見!おすすめの外壁塗装塗料8選

塗料名 価格帯(㎡単価) 耐用年数 メリット デメリット
シリコン塗料 2,500円~3,500円 10~13年程度 製品バリエーションの多さ 耐用年数が極端に短い商品がある
ウレタン塗料 1,800円~2,500円 7~10年程度 ・塗る場所を選ばない汎用性
・価格も安い
・ラジカル塗料よりも費用対高価で劣る
アクリル塗料 1,000円~1,500円 5~8年程度 ・低価格かつ発色が良い ・屋外での耐久性に難あり
→頻繁な塗り替えが必須
ラジカル制御型塗料 2,000円~3,000円 12~15年程度 ・シリコンよりも耐用年数が長いかつ費用対効果も高い ・選べるメーカーが少ない
光触媒塗料 3,500円~5,500円 15〜20年 ・汚れにくい
・抗菌・浄化作用がある
・耐用年数が長い
・費用が高額
・ひび割れに弱い
・日陰では効果を発揮しない
フッ素塗料 3,500円~5,000円 15年~20年 長期的なコスト抑制に期待できる ひび割れに弱い
無機塗料 4,000円~5,500円 20年~25年 耐用年数が圧倒的に長い 他箇所のメンテナンス周期を考慮すると割高の可能性あり
遮熱・断熱塗料 遮熱:2,500円程度
断熱:3,500円程度
遮熱:10‐15年
断熱:15‐20年
・節電・省エネにつながる
・助成金を利用できる可能性あり
・コストが高い
・耐久性が高いわけではない

ここからは、外壁塗装を行う方におすすめの塗料8種をご紹介します。どのような方にどんな塗料が適しているのかがわかるように、上の表にまとめています。それぞれの塗料の特徴や塗装で得られる効果や費用について、メリットやデメリットを含めてお伝えします。塗料選びの参考にしてください。

①シリコン塗料

シリコン塗料は、高い防汚性能を持ち、10~13年程度と耐久性にも優れた塗料として知られています。高い機能性を持つ塗料でありながら、比較的リーズナブルな価格での施工が可能となっており、コストパフォーマンスの高さからも重宝されています。商品ラインアップが豊富で選択の幅が広いところもメリットです。一方で商品によっては耐用年数が極端に短いものがあるため、注意が必要でしょう。

シリコン塗料がおすすめな方

費用対効果も高く、多数の施工実績を誇るシリコン塗料は安心感と信頼感のある塗料です。外壁塗装で失敗したくない方や知名度を重視したい方に適した塗料となっています。また商品のラインアップが多彩で、数ある商品から自分に合った塗料を選びたい方にもおすすめです。防汚性能などの耐久性とコストのバランスのよさを求める方の選択肢ともなり得ます。

②ウレタン塗料

非常に伸びが良く、独特の光沢を持つ塗料がウレタン塗料です。柔らかい素材で密着しやすく、伸びがいいため木部、雨どいなどの細部の塗装に向いています。1㎡あたりの単価が1,800~2,500円代と経済的な点はメリットのひとつです。塗る場所を選ばない施工のしやすさも利点ですが、耐久性はご紹介する8種の塗料の中でも短いほうに属します。コストパフォーマンスが期待できないところはデメリットと言えるでしょう。

ウレタン塗料がおすすめな方

引っ越しや退去などの理由があり、10年以内持てば問題ないという場合にウレタン塗料は適しています。安価な塗料ですから、費用を抑えたい場合にもおすすめです。またウレタン塗料ならではの光沢や艶があるため、仕上がりの高級感や個性を求めるケースに活用するのも一案です。また夜話r会素材と伸びのよさから細かな施工がしやすいため、付帯部用の塗料を探している方にも向いている塗料です。

③アクリル塗料

アクリル塗料はアクリル樹脂を混ぜた塗料で、今から20年以上前に開発された塗料です。今ほど機能性の高い塗料のない時代、ウレタン塗料がまだ高額だった10年以上前にその発色のよさから頻繁に使われていました。アクリル樹脂は家電やコップ、プラスチック製品などさまざまなところで使われる素材です。

今ではウレタン塗料やさらに高機能なシリコン塗料の価格も下がり、手の届く価格となってきました。そのため現在アクリル塗料は、外壁塗装リフォーム工事ではあまり使われなくなっています。現在、アクリル塗料を外壁塗装であえて使用するケースとして新築の現場が挙げられます。新築では、建築後もしばらくは材料の伸縮が生じる場合があり、クラック(ひび割れ)を起こすおそれが生じます。高価な塗料を用いても最終的に塗り替えが必要になるため、最初はリーズナブルなアクリル素材を用いて費用を抑えるケースもあります。1㎡あたりの単価が1,000~1,500円とかなり安価なものの、耐用年数は5~8年程度と短いため、何度も塗り替えをしなければなりません。

アクリル塗料がおすすめな方

アクリル塗料がおすすめなのは、費用対効果を重視せずとにかく工事費用を抑えたいという方です。また短期間で自宅の美観をかなえる目的で外壁の塗り替えをしたい場合も、リーズナブルにリフレッシュを実現できる塗料です。またアクリル塗料は扱いやすい塗料としても知られています。外壁塗装を経験したことはないものの、DIYに挑戦したいという方にもおすすめの塗料です。

④ラジカル制御型塗料

ラジカル制御型の酸化チタンを使った塗料であるラジカル塗料は、外壁劣化の要因となるラジカルを抑える機能を持っています。ラジカルは、塗料に含まれる白色や白っぽい淡い色を表現するための顔料である酸化チタンに紫外線が当たって発生するもので、塗料の樹脂を破壊してしまいます。そのため、塗膜(塗料を塗ってできた膜)の劣化が進行し、分離した塗料の成分(顔料)が外壁の表面まで出てきてくるチョーキング現象が発生します。ラジカル制御型塗料はチョーキング現象や塗膜の劣化に効果を発揮します。シリコンよりも耐用年数が長く、その費用対効果からも注目されています

ラジカル制御型塗料について詳しく知りたい方は、【ラジカル制御型塗料の全てが分かる】他塗料との違いからメリット・デメリットまで徹底解説をぜひご覧ください

⑤光触媒塗料

光触媒塗料の大きな特徴は「セルフクリーニング機能」を持っている点です。セルフクリーニング機能とは紫外線への反応により外壁に付着したチリや排気ガスなどの汚れを分解する役割を意味します。また光触媒塗料水となじみがよい超親水性を有することもあり、汚れがうき上がりやすく、分解された汚れは雨水で洗い流れやすいのもメリットです。日常的なメンテナンスの負担を減らしたい方、外壁を長持ちさせたい方に適しています。

汚れにくく耐久性に優れる上、抗菌・浄化作用を持つ優秀な塗料ですが、費用が高額になるのがネックです。また光に反応して効果を発揮するため、日陰では利点を生かすことができません。
光触媒塗料については【光触媒塗料とは?特徴や外壁塗装に用いるメリット・デメリットがまる分かり】で詳しくご紹介しています。

⑥フッ素塗料

フッ素塗料は、紫外線や雨風などに強く、高い耐候性を誇る塗料です。耐久性や撥水性にも優れ、頻回な塗り替えが困難なビルやマンションで使用されています。スカイツリーや明石海峡大橋などにも使用されているのは、耐候性、耐久性が優れている証とも言えるでしょう。耐用年数は15~20年非常に長いため、長期的なコスト抑制を目的として公共の建物でも使われています。ただし近年、さらに耐用年数が長い塗料が同価格帯で登場しているため、フッ素塗料ならではの独自性、利点は薄れつつあります。

フッ素塗料がおすすめな方

耐候性に優れたフッ素塗料は、長期的な視点で節約をお考えの方におすすめです。例えば今後15年以上同じ住宅に住む場合は、トータルコストの抑制につながります。今後の塗り替え回数を考慮し、外壁塗装の効果を長持ちさせたい方にも向いています。将来のメンテナンスの頻度を減らす上で、フッ素塗料の耐用年数の長さは大きな魅力です。

⑦無機塗料

無機塗料は成分に有機物をほぼ含まない無機物で作られた塗料です。紫外線の影響を受けにくいため劣化が遅く、寿命が非常に長いのが特徴です。耐用年数は20~25年を誇り、他の塗料と比較しても圧倒的に長くなっています。無機物で構成されているという特性上、カビやコケの発生を抑制でき、燃えにくいという利点を持ちます。

ただし、住宅のすべての場所に施工ができるわけではなく、塗れない素材や場所があります。そのため他の部分のメンテナンス周期と合わせる必要が生じます。結果的に割高になる場合もあることを考慮に入れておかなければなりません。

無機塗料がおすすめな方

紫外線の影響を受けにくい無機塗料は、他と比較しても耐用年数が際だって長いのが特徴です。比較的高価ではあるものの、トータルで考えるとコストパフォーマンスは悪くないという見方もできます。多少費用がかかっても耐用年数の長い塗料を使用したい方には適しています。加えて有機物を含まないため、カビやコケの発生を抑制できます。住宅のカビやコケにお悩みの方にはおすすめの塗料です。

⑧遮熱・断熱塗料

暑い夏、寒い冬を快適に過ごすための選択肢として遮熱塗料や断熱塗料が注目されるようになりました。共に太陽光からの熱の影響を抑制し、室内の温度を快適に保つことができます。一方で同じ「熱」がついているため混同されがちですが、「遮熱」塗料は太陽光を反射し、遮る特徴を持ちます。一方の断熱塗料は熱を「断ち」、伝わりにくくする効果を持っています。

断熱素材の場合、夏は熱を室内に伝えにくくし、冬は暖房による室内の熱を外に逃がしにくくするメリットがあります。一方で遮熱塗料は光を遮ることに特化しています。つまり夏の室内の気温上昇を防ぐものの、冬の防寒には弱いのがデメリットです。耐用年数はどちらも比較的長めで、断熱塗料のほうが費用は高めです。外壁塗装で遮熱・断熱塗料を用いることで、助成金や補助金を受けられる場合もあり、省エネや節電効果も得られます。

遮熱・断熱塗料にはさまざまな種類があります。省エネや節電効果が得られる詳しいメカニズムについては以下の記事をご覧ください。

【外壁・屋根塗装で断熱塗料、遮熱塗料を使うと省エネ・節電ができる?(前編)
【外壁・屋根塗装で断熱塗料、遮熱塗料を使うと省エネ・節電ができる?(後編)

【まとめ】初めての外壁塗装でも松岡塗装店なら安心!

外壁塗装に用いる塗料の種類は多岐にわたり、それぞれにメリット、デメリットは異なります。外壁塗装の施工が初めてという方なら、なおのこと、塗料選びや依頼する業者選びに迷うことが多いと思います。私たち松岡塗装店は1981年の創業以来、大阪エリアを中心に地域密着型で「塗装全般」を得意としています。完全自社施工のもと、お客様のご要望を丁寧にお伺いし、アフターフォローにも力を入れています。長年お客様から信頼し続けていただける高品質の施工を誇りとしております。外壁塗装を検討されている方はどんなことでもまずはお気軽にご連絡ください。

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